欧米・中国で越境ECを検討しており、「『東南アジアはポテンシャルがある』と聞くけど本当?」と疑問に思っている方もいらっしゃると思います。今回はそういった方々のために、東南アジア市場の概要を解説します!
東南アジアは10カ国、越境ECの主要市場は6カ国
東南アジアは通常、シンガポール・マレーシア・フィリピン・インドネシア・タイ・ベトナム・カンボジア・ブルネイ・ミャンマー・ラオスの10カ国を指します。
その中で、所得水準・人口・環境面からよく越境ECのターゲットになるのは主要6カ国【シンガポール・マレーシア・フィリピン・インドネシア・タイ・ベトナム】です。中でも、シンガポール・マレーシア・フィリピンは英語が公用語になります。
宗教は仏教・イスラム教・キリスト教などさまざま。どの国も温暖な気候のため生活様式の共通点は多いです。
東南アジア主要国の人口は合計6億人で増加中
「東南アジアは成長市場」と言われますが、定量的にどの程度でしょうか?まずは人口を見ていきます。
※参照元:World Population Prospects 2022 | United Nations
東南アジアで最も人口が多いのはインドネシアで、約2.8億人と世界でも第4位になります。シンガポールは所得水準は世界トップレベルですが、人口は約600万人とコンパクトな国です。他国は数千万~1億程度の人口水準になっています。東南アジアを一つの市場として捉えると、主要6カ国の合計は約6億人の市場になります。
※参照元:World Population Prospects 2022 | United Nations
人口の年間成長率を見ると、フィリピンを筆頭に各国の人口は順調に増加していることが分かります。ただし、タイは少子高齢化が始まっており、人口の伸びは鈍いです。フィリピンは3年後(2026年)、ベトナムは23年後(2046年)に日本の人口を超える見込みとなっています。
購買力はシンガポールが突出し、他国は年間5%程度の経済成長
※参照元:GDP per capita, PPP (current international $) | THE WORLD BANK
シンガポールは世界2位の一人当たりのGDPを誇ります。英語が公用語・所得が高い・税制がシンプルなどの理由から、シンガポールを越境ECのターゲットとするケースは多いです。
他国は日本よりも低い水準になりますが、マレーシア・タイは日本の半分程度まで一人当たりのGDPを伸ばしており、インドネシア・ベトナム・フィリピンも後を追って、中所得国入り前後の水準まで成長してきています。
※参照元:GDP Growth by Country 2022 | World Population Review
GDPの年間成長も各国、力強いです。2022年までの過去10年間で見ると、フィリピンは1.5倍、インドネシアは1.4倍、ベトナムは2.1倍までGDPを伸ばしています。
さらに、筆者自身はベトナム在住ですが、東南アジアの都市部の方々は発展途上国特有の雰囲気があり、消費の所得に占める割合が高いと実感します。
東南アジア主要6カ国の合計EC市場規模は、日本と同程度
東南アジアのEC市場規模は急速に成長を続けており、主要6カ国の合計EC市場規模は2025年までに日本の水準を超えると予測されます。
Shopee・Lazadaが圧倒的なプラットフォーム
東南アジアへの越境ECでは、自社サイトが重要なチャネルである一方で、商品カテゴリーの知名度が高かったり、価格・機能面で大きな強みがある場合は、ECモールの活用も検討するのが良いでしょう。
東南アジアでもっとも大きいECモールはShopeeとLazadaです。iPriceによると、2022年Q2の東南アジア主要6カ国の月間訪問者数上位5つのECプラットフォームは以下の通りで、どの国でもShopee・Lazadaが上位に入ります。
ShopeeのGMVは2022年に約800億ドルの見込みで、Lazadaも同様の水準を目指しています(参考記事)。ShopeeはGMVが主に東南アジアのみにも関わらず、Shopifyの全世界GMVの約半分の規模のGMVがある計算になります。
またカテゴリー別では、Shopeeは特にファッション・コスメ・アクセサリー、Lazadaは電化製品に強いです(参考記事)。
さいごに
東南アジアはポテンシャルが大きく、主要なECモールはShopee・Lazadaです。しかし、商品によってターゲットすべき国は異なり、国によってマーケティングチャネルの選択肢も変わります。Global Step Projectでは、各国の状況や販促方法をより詳しくお伝えできますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。